語り
2003年11月
2003年11月3日
ジャンプ49号購入。
今回は久々に、心安らかにミスフルを読むことができました。だってねえ、これだけショックな出来事が続いた後に主人公が出てくれば、それはもう良い方向への展開しかない訳で。少年漫画として、ここは安心していていいはずだと思っていたら、その通り安心できる内容でございました。良かった良かった。というよりむしろこれでまた猿野が凡退とかデッドボールとかのショックな出来事が発生していたら、今度こそ私は心臓発作とか脳溢血あたりで病院に担ぎ込まれていたんではないかと。そのままぽっくり逝ってしまうんではないかと。そしてミスフルの続きが気になって成仏できずにコンビニで立ち読みしている人の背後あたりに化けて出てしまうんではないかと。そんな社会の迷惑にならずにすんで本当によかったです。社会の害悪が増えずにすんだことを、皆様にもぜひ喜んでいただきたいところです。
それにしても今回のカラーはちょっと今までとは雰囲気が違っててイイ感じですねー。内容に合っててかっこいいです。編集が入れたであろう煽りの「全ての借りはプレイで返す!!決意のセンターカラー!!」というコピーが気になりますが。「決意」がかかっているのはこの場合、「猿野と犬飼が牛尾先輩達の為に戦う」ということであろうと推察できるのですが、ここ最近の掲載位置が意識に残っているせいか、どうも「編集がミスフルの為にセンターカラーで掲載すること」にかかっているではないかという不安がぬぐえません。
大丈夫なのかミスフル。心配です。まったく余計なお世話とは思いますが。
そんな余計な心配をされているとは露知らず、ギャグもなく順調に進むストーリー。今回は猿野が頑張ってますが、やはり猿野の頑張りは見ていて気持ちがいいです。どんなに追いつめられていても、状況が絶望的でも、猿野自身が絶対に諦めないので、どこか安心して見ていられるんですよね。まあミスフルの場合は、どのキャラもみんな諦めることなく頑張っているんですけども。でも猿野みたいに、みっともない姿を晒そうとなんだろうと目標の為にガムシャラになれるっていうことは、非常に魅力的だと思います。余談ですが、どうも個人的に天才肌キャラってあんまり好きじゃないんですよね。天才肌というだけならいいんですけど、努力とか成長する部分が見えてこないキャラクターはあまり好きになれないというか……『攻殻機動隊』の草薙素子とか荒巻素子みたいなタイプはどうも苦手というか……。同じ天才肌のキャラでも、『銃夢』のガリィみたいに成長していくタイプだと好きになれるんですが。もしくはノヴァ博士みたいに、足掻き続けているようなタイプとか。
……閑話休題。
猿野が打とうと決めたのは、牛尾先輩がやられたのと同じステルスサイド。「あの球で牛尾主将はやられたんだからな」と怒りのにじむ横顔で語る猿野を見て、「こいつホントにいい奴だなあ」と涙しそうになりました。凪さんの為に頑張るというつもりが、だんだん野球部のみんなの為にという気持ちになっているんだなーと思うと、なんだかじんわり来るものが……。猿野の退部騒ぎの時の沢松のセリフ、「お前の居場所を見つけたって事だよ」という言葉が思い起こされます。猿野のそういう心境の変化を考えると、大和さんの「これ以上サイドの球道に踏み込めば 前の大将と同じ末路を辿るであろう」という、挑発とも警告ともつかないセリフが余計に猿野の怒りをかき立てたことは容易に伺えます。もう怒りゲージMAX。攻撃力も1.5倍。超必殺技も出せるというものです。出せるっていうか出ちゃったよホームラン。ついでにスコアボード上の旗まで折っちゃって、十二支校の新たな伝説が今まさに。そんな感じです。とにかく爽快感をありがとう猿野。妙高くんもお約束通りに驚いてくれてありがとう。とりあえず今回はホントにただの代走で、活躍の機会もなかった犬飼がちと気の毒ではありますが。まあ君にはピッチャーとして頑張っていただくということでひとつよろしく。
ところで今回の冒頭は、とってつけたようにセブンブリッジの面々が登場しておられるのに笑ってしまいました。もう紅印さん自ら読者の疑問を口にしてくれてますもんね。「なんでアタシ達がこんな無関係な試合わざわざ見に来なきゃいけないのよ」すげえなあ紅印さん、読者の疑問を解消すべくわざわざとってつけたような質問を口にしてくれるなんて、なんて気配りのきいた人なんだ。しかも「あの代打のコ イモ臭いわねえ」ときた。イモ臭い……イモ臭いってアナタ。今どきの高校生に通じるんですかこのセリフ。現役高校生の皆様、「イモ臭い」って意味判りますか?中学生の皆様はいかがですか?小学(以下略)……いや、私の中学時代に既に死語となっていた言葉なので、果たして年若い皆様に通じるものかどうか心配になってしまった次第です。一応解説しておきますと、「ダサい」という意味です。その言葉が流行っていた頃は、「イモい」という言い方が主流でしたが。あれかな、歴史は巡るってヤツで、古すぎるものが掘り起こされて最先端として復活するような感じで今もまた流行りつつあったりするのかな。信也先生の感覚ってやっぱりよく判らないや、と鼻の下を人さし指でこすりつつ笑っておこうと思います。えへへ。